いにしえの知恵

最近のお家は洋装がメインのお家が増えておりますが、夏になると和のテイストを採り入れたり、和室の需要が伸びてくるのはなぜでしょうか。


昔から日本には特有の季節である『梅雨』がありましたが、昔の日本人はこの『まとわりつくような暑さ』をいかにやり過ごすかという事に、特に重点を置いてきたという説が濃厚です。


逆に空間設計を夏基準で作ったため、空間の保温性というよりも、冬はこたつやいろりなどの部分的に温度の高い空間を別途つくり、そこで人間同士の団欒を交えて冬を過ごしていくという観点です。


この時の工夫としては、例えばふすまを全て開放すると庭と直結する導線つくりだったり、吸湿性の高い壁、また庭のつくりにしても『枯山水』に代表される様な、『涼し気』という感情を『演出』するという、感覚的なものと同じくらい感情に訴える工夫が多くちりばめられています。


和のものに涼し気なイメージを抱くのは、遠い昔から積み上げられた感覚なのかもしれませんね。